シバ犬あっちこっち ~日本語教師のモノローグ~

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2004年 05月 24日

5月24日  齋藤 孝・齋藤兆史 『日本語力と英語力』 中公新書ラクレ

 『声に出して読みたい日本語』などで知られる齋藤先生、露出するのはもういい加減にして!と思うのですが、彼の発想には基本的に賛成です。本書では日本の国語教育と英語教育、両方の指導方針における根拠のなさ、思想の薄弱さを衝き、ばっさりと斬り捨てています。

 ところで本書に限らないのですが、ここ数年の新書の類いにはどうもただのエッセイに近いものが増えているように思えてならないのですが・・・。以前は新書というと、もっと学術的な情報がぎっしり詰まっていたように思います。数年前に集英社、中央公論新社、PHP、新潮社といったところが一斉に参入して以来、新書の内容密度が薄まっているように思えてなりません。本書もその一つ。なんだか同じことを何度も繰り返しているような・・・。で、2、3時間もあれば、終わりです。もっとまとめれば、半分の厚さで済むでしょうに。

# by 1220hagiwa | 2004-05-24 20:14 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 05月 17日

5月17日  西原理恵子 『毎日かあさん』 毎日新聞社

 毎日新聞日曜版連載、サイバラさんのマンガが本になりました。画はきったない(汚い)のですが、ところどころ、じんわり泣けました。「家庭円満マンガを描いていたら、連載中に離婚してしまいました(笑)」というコメントも、しみじみ。

# by 1220hagiwa | 2004-05-17 20:13 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 05月 17日

5月17日  荒木飛呂彦・鬼窪浩久 『変人偏屈列伝』 集英社

 もう一冊コミックを。
 こんな人って、いるんですね。有名人から無名人まで、知られざる、そして何とも驚愕させられる真実の数々を描いた人物伝コミック。こんな人、あんな人・・・。画は好きではない(きらいな部類)のですが迫力十分。そしてとにかくすべてがフィクションに基づいているというのが、あな恐ろしや。ガクガクしました。

# by 1220hagiwa | 2004-05-17 20:12 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 05月 10日

5月10日  田口ランディ 『できればムカつかずに生きたい』 新潮文庫

 読みすすめるほどにつらくなる、とても息苦しいエッセイ集。家族、いじめ、生・・・。『コンセント』などで知られる人気作家の、生々しく血の滲むような息遣いを収めています。

# by 1220hagiwa | 2004-05-10 20:11 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 05月 10日

5月10日  箒木蓬生 『賞の柩』 新潮文庫

 医療・福祉関係に造詣の深いこの方(元精神科医)の作品、いつもモチーフはとっても好みなのですが、なんだか薄っぺらな印象がどうしても拭いきれません(失礼!)。なぜなんでしょう? 
 これはノーベル賞をめぐるおぞましい因縁劇なのですが、導入が長すぎて、いつ始まるのかとイライラ。そして人物の配置からだいたい展開が読めてしまって意外性に欠けます。ヨーロッパの街並みの描写は美しいのですが。もったいなあと思いつつ、読み終えました。

# by 1220hagiwa | 2004-05-10 20:10 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 05月 03日

5月3日  集英社文庫編 『短編復活』 集英社文庫

 短編小説のおもしろさを堪能しました。500頁超の厚みにふさわしい充実感に満たされます。赤川次郎、浅田次郎、綾辻行人、伊集院静、北方謙三、椎名誠、篠田節子、志水辰夫、清水義範、高橋克彦、坂東眞砂子、東野圭吾、宮部みゆき、群ようこ、山本文緒、唯川恵。これだけのメンツがそろっていたら、つまらないはずがない。おトクでした。楽しくて、爽やかで、明るくて、こわくて、ヒヤッとして、ゾッとして、ニヤリとして、ほろりとしました。授業で使えないものか、とつい考えてしまいます。

# by 1220hagiwa | 2004-05-03 20:09 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 05月 03日

5月3日 その② 高橋邦典写真集 『ぼくの見た戦争 2003年イラク』 ポプラ社

 イラクの現実。悲しい。そして虚しい・・・それ以外になにがあるというのか。正面切って数々の写真を見せつけられて・・・。米軍兵士が仲間の遺体を前に泣き崩れる一枚、その残像はしばらくまぶたから消えませんでした。そしてイラクに生きる一般の人々の顔も。
 ところでこれは子供向けの一冊なのですが、果たしてどのくらいの子供が手に取るのでしょうか。親が与えるのでしょうけど、ちょっと疑問。

# by 1220hagiwa | 2004-05-03 20:08 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 04月 26日

4月26日  鷺沢 萌 『町へ出よ、キスをしよう』 新潮文庫

 そうです! もっとキスをしましょう。
 駄文も目立ちますが、あっけらかんとした中にナイーブな視線が突き刺さってきます。先日35歳の若さで亡くなった著者が、二十代前半に出した第一エッセイ集です。本書で触れているように読み手と書き手の間には、確かに「いやらしい」関係が-それも相当なものがあります。わたし自身それを強く思いつつ、このHPを書かせてもらっています。

# by 1220hagiwa | 2004-04-26 20:07 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 04月 26日

4月26日 その② 慶応義塾大学佐藤雅彦研究室 『日本のスイッチ』 毎日新聞社 

 毎日新聞の片隅で現在も週イチで連載中、ひそかに話題の「日本のスイッチ」です。

  松井の試合が終わって、ヤンキースの勝敗・・・おぼえている22% おぼえてない78%
  富士山の頂上まで登ったことが・・・ある9% ない91%
  夜道で身の危険を感じたら駆け込むのは・・・交番29% コンビニ70%
  ペットボトルのお茶・・・もう何茶でもかまわない54% こだわりがある46%

 これを読むと、見えない日本が見えてくる! 授業の小ネタ、満載。

# by 1220hagiwa | 2004-04-26 20:06 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 04月 19日

4月19日 その① 藤田紘一郎 『笑うカイチュウ』 講談社文庫

 やっと読みました。読もう読もうと思っていて、読み出したらやっぱりカイチュウ談義にはまりました。日本でも海外でも気をつけましょう。決してヨソの世界の話ではありません。ある意味で身近な“友”ですから、大切にしたいものです・・・カイチュウを。

# by 1220hagiwa | 2004-04-19 20:05 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 04月 19日

4月19日 その② 米沢嘉博 『マンガで読む「涙」の構造』 NHK生活人新書

 手塚治虫の初期作品群に始まり、ちばてつや『あしたのジョー』、美内しずえ『ガラスの仮面』、大島弓子『いちご物語』、池田理代子『ベルサイユのばら』、萩尾望都『ポーの一族』、さらにはコンタロウや永島慎二、矢代まさこといった作家たち。あるいはあだち充『タッチ』、山本おさむ『どんぐりの家』、日渡早紀『ぼくの地球を守って』、吉田秋生『BANANA・FISH』。レディースコミック系のさかたのり子、岡村えり子。近作ではドラマ化された山田貴敏『Dr.コトー診療所』、佐藤秀峰『ブラック・ジャックによろしく』、戸部けいこ『光とともに・・・』(現在放映中)。これらに触れたことのない人は、おそらくいないのでは。
 日本のマンガに流れる「悲しみ」と「涙」をいかに読者が欲して来たかを分析、新しい角度からの日本人論とも受け取れます。選択授業の教材探しの中で手にした一冊。偶然か、わたしが以前教材に使っていた弘兼憲史『人間交差点』のうちの一編「風船」も取り上げられていました。

# by 1220hagiwa | 2004-04-19 20:04 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 04月 12日

4月12日 その① 金城一紀 『GO』 講談社文庫

 まさに、「GO」です。痛快。スピード感とパワーに勇気をもらえそうです。柴咲コウの出た映画も悪くないですが、彼女のイメージが強くて、先に映画を見てしまって失敗しました。それでもこの原作本の価値は何ら色褪せないと思います。ちなみに学生(特に韓国)は映画のほう、けっこう好きなんですよね。

# by 1220hagiwa | 2004-04-12 20:03 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 04月 12日

4月12日 その② 佐藤正午 『人参クラブ』 集英社文庫

 相変わらず、切ない話の連作集。ロンド(輪舞曲)とでも言いましょうか、めぐりめぐり、人は流れる・・・そんな感じかも。そういえば、筆者の人気作『ジャンプ』が映画化されるそうです。

# by 1220hagiwa | 2004-04-12 19:55 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 04月 05日

4月5日 その① 川上史津子 『恋する肉体』 飛鳥新社

 題名のとおり、体で感じる短歌を集めた、デビュー作品集です。抽象的な言葉を排し、体に訴える、ダイレクトな言葉遣いが受け手を翻弄します。果たしてそこにロマンがあるのかないのか、そこは判断の分かれ目ではあるのですが。
 「かんたん短歌」の提唱者・升野浩一さんとともに、注目されている一人(だそう)です。

# by 1220hagiwa | 2004-04-05 19:54 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 04月 05日

4月5日 その② 森 瑶子 『東京発 千夜一夜』 新潮文庫

 選択授業の材料探しで目にとまった、ショート・ショート集。さすがに時折鋭いキレもありますが、全般にトーンが一様で、やや退屈しました。上下巻の「上」だけ読んで、リタイアです。この方って、本職はたしか恋愛話でしたっけ。いずれ読むチャンスがあるかも。

# by 1220hagiwa | 2004-04-05 19:50 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 03月 29日

3月29日 その② 大森望・豊崎由美『文学賞 メッタ斬り!』(パルコ出版)

 痛快。こんなものが読みたかった。芥川賞・直木賞からミステリ、SF、ホラーなどエンテターテインメント系まで、あらゆる文学賞について言いたいこと、いいことも悪いこともズバリ。ただし、作品内容の善し悪しではなく、あくまでも賞そのものについての話です。
 わたしの感じるところ、著者2人の目は確か。真実を突いていると思います。選考委員の姿勢や発言についても言及していて、そうだそうだと思わず手をたたきたくなることもしばしば。例えば宮部みゆきが『理由』で直木賞をとったことなんて、まさに???です(作品ではなく、授賞のタイミングが)。最近の金原ひとみ、綿矢りさ、京極夏彦、江國香織、あるいは『世界の中心で、愛をさけぶ』(片山恭一)にも触れていますし、村上春樹や村上龍も。ついでに『世界の~』がなんで小学館から発行されているのか、その疑問が少し解けました。
 思わず快哉を叫んだ一冊。今年最高のエンターテインメントかもしれません。

# by 1220hagiwa | 2004-03-29 19:49 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 03月 29日

3月29日 その① 江國香織 『いくつもの週末』 集英社文庫

 H書房に勤務する大学時代の先輩と話をしていて、たまたまこの本の話になったので取り上げます。今回の直木賞作家のエッセイ集です。しばらく前に読んだとき思ったのが、こんなこと書いてよくダンナが許したなということ。たいしたものです。ここ一年の間に手にしたエッセイの中では印象に残った一冊。「木端微塵」っていう言葉、こういう使い方をするのか・・・と頷きました。

# by 1220hagiwa | 2004-03-29 19:49 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 03月 29日

3月29日 その③ 雨宮早希 『EM エンバーミング』 幻冬舎文庫

 思わず手に取ってしまいました。エンバーミング-遺体の衛生保全(消毒・防腐・修復・化粧)を図る専門技術のことです。日本国内では徐々に認知されているようですが、それでも遺体総数のうち、まだ一ケタ台だそうです。すばらしい技術だと本当に思います。だって、エンバーミングをすれば触れてもキスしても大丈夫ですし、故人の元気だった美しい状態が復元され、良い、美しい思い出の中で故人を送り出すことができるわけですから。 
 本書はそれを題材にしたサスペンス小説(内容はちょっと陳腐でしたが)。著者は『女子行員オンライン横領事件』などで知られるノンフィクション作家(松田美智子)ですが、そっちのほうがいいと思います。ミステリ作家としてはこれから・・・かも



# by 1220hagiwa | 2004-03-29 19:48 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 03月 22日

3月22日  長田 弘 『記憶のつくり方』 晶文社

 たまには詩集を。といってもよく知らないのですが、これは同じ作者による『深呼吸の必要』と同じくらいに気に入りました。先日の仙台での研修会の帰り、広瀬川河畔にあった古本屋さんで買いました。なかなか品揃えで見ごたえのある本屋さんでしたが、時間がなくてさっとしか見られず、残念。でも、そこで手にとった(目に飛び込んできた)一冊です。ページをめくると、心に響く言葉が浮かび上がってきます。そういえば、『深呼吸の必要』 って映画化されるそうですね。いったいどうなるんでしょう。何だか、不安。

# by 1220hagiwa | 2004-03-22 19:47 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 03月 15日

3月15日  高橋 徹 『日本の価値観・世界ランキング』 PHP新書

 N先生の机にあったのを見て、自分でも買って読んでみました。世界各国の国民への共通の質問に対する答をまとめているのですが、その結果からは非常に興味深い事実が浮かび上がってきます。質問は「進んで国のために戦うか」「メディアを信用しているか」「軍隊(自衛隊)を信用しているか」「自国民(日本人)であることに誇りを感じているか」「現在、幸せだと思うか」「同性愛は認められるか・未婚の母は」「親は子供の犠牲になっていいのか」・・・などなど多岐にわたります。また筆者の分析にも、う~むと考えさせられるものがあります。日本人って、世界ではこうなのね・・・と思えてきました。

# by 1220hagiwa | 2004-03-15 19:46 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 03月 08日

3月8日  野口恵子 『ちょっと気がかりな日本語』 中公新書クレ)

 新書版の、よくある日本語本ですが、著者が日本語教師なので買いました。ですから、そうなんだよな、そうそうとついついうなずいてしまうところもあり。特に「で」の使いすぎ、「を」の入れすぎというのには、なるほど、納得。授業用のネタがまた増えました。

# by 1220hagiwa | 2004-03-08 19:45 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 03月 01日

3月1日  三島由紀夫 『金閣寺』(新潮文庫)

 お恥ずかしながら、三島の作品を初めて読みました。この本が初めてでよかったのかどうかわかりませんが・・・、少なからず観念的な話でした。でも、よかったです。
 話の半ばで「金閣を焼かねばならぬ」という言葉に触れたとき、高校時代の現代国語の教材を思い出しました(教師が三島好きだった)。放火の実行とともに魂の再生を果たす、若い修行僧の心の軌跡を描いているのですが、そこに至るまでの彼の心に思いを馳せれば、それもまたやむなしと思いました。そのやるせない思いに共鳴し、ページを繰るのが少し辛かった部分もありましたし・・・。優れた青春ストーリーという言い方、この作品を評するのに、失礼でしょうか。 

# by 1220hagiwa | 2004-03-01 19:45 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 02月 23日

2月23日  村越 真 『地図が読めればもう迷わない』 岩波アクティブ新書

 全日本オリエンテーリング大会13連覇を成し遂げた筆者は、日本のその世界の超有名人であり、世界にもその名をとどろかせている方です(現在、静岡大学教授)。その氏が一般向けに地図の本当の読み方、使い方を書きました。決して高尚な話をしていません。街からアウトドアまで、迷わない地図の使い方を指導してくれます。ちなみに氏は、私の高校の先輩です。
★でも、もしリクエストがあれば、私が直接指導しますよ! ご連絡を。

# by 1220hagiwa | 2004-02-23 19:44 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 02月 16日

2月16日 その② 山本文緒 『恋愛中毒』(角川文庫)

 あ~おもしろくて、すごく怖かった。それで十分でしょう。それにしても、よくできた話です。

# by 1220hagiwa | 2004-02-16 19:42 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 02月 16日

2月16日  その① 清水義範 え・西原理恵子 『飛びすぎる教室』 講談社

 「ムダ知識こそ生きがい」という帯のコピーを裏切りません。実に楽しい。ただし、ケストナーの『飛ぶ教室』とは何の関係もありません。たとえば「見たことありますか(幽霊の話)」「商品としての人間(奴隷の話)」「眠るための場所(墓の話)」なんて、けっこうおもしろそうじゃありませんか。
 テレビの「トリビアの泉」ほどバカバカしくなく、かなりマジメに、かつ明瞭に展開している雑学解説。ユーモアある実力作家だけあって、飽きさせません。よく調べてます。

# by 1220hagiwa | 2004-02-16 19:42 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 02月 09日

2月9日  糸井重里編 『オトナ語の謎』 ほぼ日刊イトイ新聞

 同僚の先生に紹介されて手にとりました。
 ・・・きんきんにとんとんにしたいのですが、こっちの方はゴタゴタ続きでばたばたしておりましてカツカツというのがいまいまの状態ですが、おかげさまで、ASAPに授業ネタに使えそうな具合に落とし込んでブレイクスルーしようと思っています・・・というようなことです、たとえば。であるなら、私はあまり使っていませんね、オトナ語は。

# by 1220hagiwa | 2004-02-09 19:41 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 02月 02日

2月2日  山崎豊子『続・白い巨塔』(新潮文庫)

 1月にスタートしたテレビドラマ・第2部のほうの今までは、この『続』ではなく、正編の後半に相当しています。ですから、この『続』の部分がどの程度ドラマ化されるのかは不明ですが、ある意味で『続』のほうが変化に富んでいて面白いです。主人公・財前の行く末は果たして。そして盟友・里見は。ドラマは構成を単純化しているので分かりやすいですが、原作は思い切り「黒い」です。それにしても、ドラマにこれだけ人気があるというのは、40年近くたっても現状が変わっていない証左なのでしょうか。いやはや。

# by 1220hagiwa | 2004-02-02 19:41 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 01月 26日

1月26日 その① 佐藤正午 『女について』 光文社文庫

 作者の分身かと思いたくなるような、何だか情けない小説家その他。彼らをめぐる女たちとの8つのドラマです。冴えない、でも憎めない、そして相手を愛しきれない宙ぶらりんの男ばかり、そんな感じでしょうか。読んでいてこっちがやきもきしてしまいます。それにしてもこの作家は30代~40代の男性を描くのがうまいですね。本人はおいくつなんでしょうか。  

# by 1220hagiwa | 2004-01-26 19:40 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 01月 26日

1月26日 その② 村山由佳 『野生の風』 集英社文庫

 伊集院静さんが解説をしていたので買ってみました。なるほどしっかり書かれていますが、 読んでみると何のことはない、言ってみれば日本版ハーレクインです。飛ばしに飛ばして一日で終わり。ホント、風のように去っていって、何も残りませんでした。どうせ買うなら、直木賞受賞作にすればよかった。あと、この作品、途中で主体(主語)が入れ替わっちゃうように思えるのは、気のせいでしょうか。

# by 1220hagiwa | 2004-01-26 19:39 | <番外編 2004> | Comments(0)
2004年 01月 19日

1月19日 その② 江國香織『号泣する準備はできていた』(新潮社)

 今回の直木賞受賞作。個人的にはさらにその前に読んだ『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』(山本周五郎賞受賞作、直木賞候補作)のほうが好みですが、どちらの短編集も心象風景の鮮やかな切り取りかたでした。収録作全部がいいとは言いませんけれども、悪人が出て来ないし、何よりも主人公が前向きで嫌味がなく、好感がもてるので、読後感は悪くありません。また言葉遣いも美しく、力まず、かといって崩れず、しなやかで品があると思っていましたが、やっぱりお父上の薫陶を受けているのかも。童話以外にもまだまだ新境地を開拓していきそうな人で、楽しみです。同じ女性作家でも吉本ばななはだめですが、私はこの人ならOKです。

# by 1220hagiwa | 2004-01-19 19:38 | <番外編 2004> | Comments(0)