シバ犬あっちこっち ~日本語教師のモノローグ~

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カテゴリ:<番外編 2007>( 122 )


2007年 12月 30日

12月30日  本名信行 『英語はアジアを結ぶ』 玉川大学出版部

 昨日の『世界の英語を歩く』に続く、というか、内容的に一部重複している本ですが、こちらのほうが読みやすい印象があります。前著は新聞の連載だったこともあって、枠が決まっていたのがコンパクトさにつながっていましたが、物足りなさもありました。その点、この本はそれを拡大、補足していて具体性に富んでいます。
 「英語」を求めてアジア諸国を旅してまわったら、さぞかし楽しいでしょう。中国や香港、台湾、韓国は言うに及ばず、ベトナム、タイ、シンガポール、フィリピン…。あるいはモンゴル、インド、極東ロシア。ぜひしてみたくなりました。行きたいです…もちろん、もっと英語を勉強してからですけれど。

by 1220hagiwa | 2007-12-30 23:03 | <番外編 2007> | Comments(0)
2007年 12月 29日

12月29日  本名信行 『世界の英語を歩く』 集英社新書

 英語-この国際言語への接し方を、今後の自分の課題にしてみるとおもしろそうです。
 シンガポールの学生と(日本語で)2、3日前に話したばかりですが、彼女のマルチリンガルセンスに感嘆しました。同時に、それといきなり伍するのは無茶としても、ほんの少し視点を変えることで豊かな英語世界、そして外国語世界が得られそうな気がしました。
 日本語教師であれば、なおさら「英語」という大言語の実情を知っておくと役立ちそうです。

by 1220hagiwa | 2007-12-29 23:34 | <番外編 2007> | Comments(0)
2007年 12月 28日

12月28日  大谷泰照 『日本人にとって英語とは何か』 大修館書店

 日本の教育から異文化理解の問題点まで幅広く論じ、一考させられました。異文化理解への誤解については、その世界にいる端くれとしては再考したいです。ただ、話が広がりすぎて、若干焦点がぼやけてしまった印象もあります。例えば、冒頭で日本の数学教育への評価の盲点を衝いておおっと思わせたと思えば、日本人の異文化意識を歴史的に概観します。英語教育の検証を経たのち、最終章では20世紀を「戦争の世紀」と表現する趨勢に意見し、EUの成立過程にまで言及していますから、ああなるほどと興味深い反面、やや散漫な印象は拭えません。特に、EUを強く肯定するくだりは、ちょっとどうかな、とも。実はいくつかの論文を無理にまとめたため、流れのあるものとして編集しきれなかったのではないかと想像します。それでもやはり、読んでよかったと思いました。
 ちなみに「女教師のブログ」という、教育全般をズバズバと論じるブログでは、多少厳しいコメントを受けつつも、十分読むに値する一冊として勧められていました。

by 1220hagiwa | 2007-12-28 00:59 | <番外編 2007> | Comments(0)
2007年 12月 26日

12月26日  本間之英 『誰かに教えたくなる「社名」の由来』 講談社+α文庫

 授業用にJR中野駅の自販機で買い、必要なところだけに付箋をつけて終わり。けっこうピックアップできました。所要1時間弱。あとは、この休み中に教案に反映させられるように整理できたらと思います。ですが、せっかく本を著した著者に対して読者のこうした姿勢は、あまりに軽くて申し訳ない気持ちもあります。すみません。
 それにしても、こういうタイトル、陳腐すぎて、そろそろやめてほしいのですが。「誰にも教えたくなくなる」書名です。編集者のセンスのなさでしょうか。

by 1220hagiwa | 2007-12-26 19:20 | <番外編 2007> | Comments(0)
2007年 12月 25日

12月25日  石田衣良 『てのひらの迷路』 講談社文庫

 遅まきながら、著者の作品を初めて読みました。これは掌編集。ハッとするものあり、ストレートな恋愛ものあり、トリッキーなものあり、セクシャルなものありと、バラエティ豊か。通勤時間に読むには最適で、満喫できました。著者の他の作品に手を伸ばすのも時間の問題でしょう。そういえば、オマージュを捧げたという川端康成『掌の小説』が、棚のどこかにあったかと思うのですが…すでに発掘不能。買うしかないようです。
 ちなみに、ペンネームは「石平」姓に由来するのではないかと思って調べたら…ビンゴでした。

by 1220hagiwa | 2007-12-25 22:23 | <番外編 2007> | Comments(0)
2007年 12月 22日

12月22日  谷村志穂 『青い乳房』 新潮文庫

 気分転換に選んだ恋愛小説集。設定は高校から中高年まで多様で、世界に入っていけずに読み飛ばしてしまったものや、軽すぎて、あらら~といった何編かとは別に、楽しめる掌編がいくつもあります。さすがにエンターテインメントとして、よくまとめているという印象。しかし、やはり男性の描写となると、それなりの程度にとどまっているようにも感じられました。
 『海猫』の世界が甦る、と帯にあり。私は読んでいるわけではありません。ですが、いつか読んだ別の作品も、さほど退屈ではありませんでした。ですから、そのうち『海猫』とやらにも触手を伸ばしてもよさそうです。

by 1220hagiwa | 2007-12-22 00:33 | <番外編 2007> | Comments(0)
2007年 12月 20日

12月20日  平田オリザ 『演技と演出』 講談社現代新書

 著名な演出家/脚本家である著者の講演を聴く機会をごく最近、続けて逸しています。その1回、先月の表現言語学会の会場で買い求め、日本語教育の現場を想起しつつ読み進めました。いくつかのキーワードが提示されているのですが、うち「想像力」は最大の一つでしょう。学習者に想像力を発揮する機会を提供していくこと。あるいは、イメージを共有できること。例えば、その基本的トレーニングの一つ「架空のキャッチボール」を先日やってみました。それはそれは、楽しいこと楽しいこと。
 准教授だった平田さんを手放した私立O大学、実に惜しいことをしたと思います。

by 1220hagiwa | 2007-12-20 00:38 | <番外編 2007> | Comments(0)
2007年 12月 17日

12月17日  土田雄一 『こころを育てる創作トランプ』 図書文化

 トランプ!昨夏の教育カウンセラー養成講座の講師だった土田先生が、当時ちょうど作成中だとおっしゃっていた一冊です。副題は「ゲームで進める 学級づくり・人間関係づくり」。トランプは文句なしに、お役立ちのコミュニケーション・ツール。自分の子供の頃を思い出すだけでも、なるほどその有効性に気づきます。
 トランプとは別に、あのとき土田先生がご紹介くださったエクササイズのいくつかを、今私も使っています。

by 1220hagiwa | 2007-12-17 23:20 | <番外編 2007> | Comments(0)
2007年 12月 16日

12月16日  水月昭道 『高学歴ワーキングプア』 光文社新書

 東大と国のコラボで始まった大学院重点化政策(既得権保持のための画策)が、結果的に大量の職に就けない博士を生産し続けている現状を描き出しています。いまだに大学院新設が続いているのを不思議に思っていましたが、こういうカラクリがあったことを知らないままでした。幸い私自身は民間の日本語学校ですが専任職にいながら修士を修了したわけですし、これから博士に進むつもりもありません。ですが、私の知る同期の若い人たちはどうなるのか、なるほど心配ではあります。そう思うと、いまだに「大学院へ行こう」的な本が出され続けているのには疑問を感じます。
 筆者の文体は、おそらく編集者の方の配慮でマイルドになったと思われます。正直な言い方をする方だと思い、好感がもてました。

by 1220hagiwa | 2007-12-16 11:49 | <番外編 2007> | Comments(0)
2007年 12月 14日

12月14日  宮原浩二郎 『ことばの臨床社会学』 ナカニシヤ出版

 秋口に読んだ『論力の時代』と同一の著者の論考集です。こういったムツカシめの本では初めてと言っていいのですが、ずいぶん前の休日、一日で読んでしまいました。我ながら拍手。理由は、ただ面白く、楽しかったからです。
 ことばと権力を手はじめに、「文化的多元主義」の曖昧さと危うさをめぐる論考、「後悔する」と「悔いる」、「考える」と「感・返る」といった意外さを提供した思索など、全編にわたりはたと手を打ってしまう記述がありました。ただ、実践するのは決してたやすくなかろうと思います。私のような固くなっている頭だとよほどトレーニングして、言葉を意識的、多面的に見ていく努力を重ねないと、少なくとも日本語教師としては学習者を不幸せにするなという予感があります。
 「自分の言葉に聴診器を」と語る著者。その通りなんですけれど…自信のほどはまだです。

by 1220hagiwa | 2007-12-14 23:13 | <番外編 2007> | Comments(0)