6月9日(火)  2019年6月

 お世辞でもなんでもなく、先日の学生たちが書いた手紙の往復~10年後の自分へ、そしてその10年後の自分から今の自分へ~、その中身にじわっと、そしてひしひしと感動しました。それは、素直に、思いの丈を10年後の自分に届け、逆に10年後の自分から現在の自分へと励ましをもって語りかける、という活動。「ロール・レタリング」の援用です。学生からは、この活動を通して将来に前向きになれる、これをステップにして次へと進みたい…そんなコメントがごくごく自然に、無理なく出てきました。

 単なる作文ではなく、手紙という手法を用いたからでしょうか。その魅力が十二分に発揮されていたように感じます。それは、4月からのある程度の積み重ねがあってからだろうと推測できます。急にやってもピンと来ないでしょうし、戸惑うはず。でも、過去のプロセスを経たあとなので、いつものように変なことをさせる先生だな…と思いつつだったでしょうが、全員がせっせせっせと筆を動かしていました。目を見張るくらい。

 これが、30代や40代の人間だったら、どうでしょうか。もちろん、それぞれに意義はあると思います。その只中にいる私自身が自らに課しても、きっと有意義なことだと自覚しています。そこで、ワープロ打ちした学生の作品集に、私も自分の往復書簡を収めました。

 10年後に読んだら面白いだろうなぁ…と学生が発した何気ない一言に、ぼうっとしていた私の脳が反応しました。私もそう思っていたのです。なので、10年後に投函すると約束。届けてほしい母国の住所を書いてもらいました。皆、嬉々としています。クラスの幸運な何人かは、実際に手にすることができるはずです…私が忘れていなければ、との条件付きですけれど。 
by 1220hagiwa | 2009-06-09 23:37 | 本 編 2009