11月9日  小柳かおる 『日本語教師のための新しい言語習得概論』 スリーエーネットワーク

 院のサブテキスト。読みにくさはありましたが、通読しました。

 たとえば、私の現場でなされている帰納的アプローチの功罪を、あらためて感じます。演繹的なそれとの組み合わせが本来は有効なのでしょう。同時に、目下「コミュニカティブ」とされている手法が、実は「擬似」「コミュニカティブ」なのではないかという問いも生まれました。まだまだ模索は続きそうです。

  その他、臨界期仮説やモニター理論仮説、そして私のお気に入りの情意フィルター仮説等が概観されていますが、あくまでも「仮説」にとどまっていて、要は決定的な理論は確立されていないわけです。その分、自分のスタイルで追究できることにもなるので、これはこれで歓迎すべきことですが。課題は果てしなく大きく、立ちすくみます。ですが、メインテキスト同様、元気づけられる説明箇所がいくつかありました。自分のスタイルは決して間違っていないのだと。
by 1220hagiwa | 2007-11-09 00:25 | <番外編 2007>