8月7日(火)  ロンロンロ

 切ないのは、文庫版『にょにょにょっ記』。久々に穂村弘さんの文章を楽しませてもらいました。電車内でこっそり笑ってしまいます。ただ、単行本から増補したという最終日の分、3月31日付の“日記”には、イラストのフジモトマサルさんへの追悼とも受け止められる一文が載っていて、何とも寂しさを覚えます。イラストも、まるでフジモトさんが天に上っていくかのよう。単行本が出た直後だったと思います、亡くなったのは。穂村さんともどもその前作ににサインをしていただいたこともあるだけに、私なりに思うところ、小さくありません。それに、編集担当の方の思い入れもうかがえます。帯の文句が、さりげなく、心にじわっと届きます。

 神保町ブックセンターに偶然立ち寄ったのが、おととい日曜、とある講演会@文京シビックセンターの帰り。存在を確認したのはさらにその前、岩波ホールに寄った日。倒産した岩波ブックセンターから変わったのですね。その夕方、落ち着いた店内で周囲に並ぶ本たちを手に取りつつ、お茶をしながら仕事をこなしました。そこのチラシで知った、今夜のトークショー。本屋さん、ならびにブックカフェにまつわるあれこれを識者の方から楽しく聴きました。もちろん、終了後にはサインをいただきました。本、そして本屋に対する考えを広げることができた気がします。有益でした。やっぱり私は本から離れられません。その意味では私は著者が言うような、広い意味での「本屋」なのでしょう。

 その日曜日、ブックセンター並びの古書店、店頭の百均で買ったのが、たまたま戦争にまつわる2冊。うち一冊が、あの『夏の花』でした。広島の原爆の日を翌日に控えていると意識したわけではありません。でも、縁でしょうか、ふいに目の前に表紙が現れ、ごく自然に手に取る流れ。読んでみて、こんなに短い作品とは知りませんでした。描写が繊細。でも決してやみくもに描いてはいません。歴史に残る作家を今頃になって発見しました。

 台風接近中。日本語学校の研究発表大会、明日は予定通り開催されるのでしょうか。2日かけてせっかくパワポを準備したので、できれば中止になってほしくありません。

by 1220hagiwa | 2018-08-07 23:43 | 本 編 2018