2月11日(日)  静と動

 待望のホキ美術館@千葉。写実絵画の専門美術館です。しばらく前から気になる存在で、昨年末に東京都美術館で観た「ゴッホ展」の(あくまで)ついでに寄った「リアリズム 現代の写実」展、ここでの塩谷亮さんの作品に、ああ、やっぱりいいよなぁと感じ、この連休中に足を運ぶことに決めました。そして降り立った外房線の土気駅、そこからバスで5分。迎えてくれたのは、建物からして個性的、でも出しゃばらず、工夫の施された魅力的な場でした。

 大家・野田弘志氏をはじめ、森本草介ほか現代日本を代表する一流の皆さんの写実画が続きます。息をのむような見事な技の数々は、私ごときが驚くレベルですから、目の肥えた方ならもっと理解できるはず。ただ、もっと大切なのはその絵に画家が何を込めているかなのでしょう。女性、風景といった対象物を越えたもの、私がその場に立っているかと錯覚するようなそれぞれの存在感が絵からにじみ出ます。とにかく女性が美しい。そればかりかぐいっとこちらに迫ってきて、写真が一瞬を切り取ったものとしたら、それとはまったく別のぞくぞくする質感、豊潤さを受け止めます。一筆一筆、いや一点一点の丁寧な筆遣いは、しなやかな緊張感に満ち満ちています。休憩をはさんでまる3時間半の、実に優雅なひと時でした。眼福。今後も写実画には注目していきたいです。

 そのあとは隣接する昭和の森公園で抜かりなくラン。ここ、有名です。ずっと来たかったのです。池の外周をめぐり、きつい傾斜を上り下りするなどアップダウンのやたらある、変化に富んだエリアを1時間弱堪能。ひたすら爽快。そんな本日、静と動、密な一日。そういえばこの土気という街、昔、非常勤をなさっていた先生のご実家があると聞いたことがあるなぁ…なんてふと思い出しつつ、駅前のモスバーガ―でお腹を満たしました。
by 1220hagiwa | 2018-02-11 23:53 | 本 編 2018