1月15日  小林茂雄・東京都市大学小林研究室 『ストリート・ウォッチング』 誠信書房

 街をどう観察し、どう感じていくか、その指南書。リラックスしてパラパラめくるにはいいですし、ななかなかおもしろいです。写真、図版が多用されていて楽しい。たとえば、サウンドスケープは耳にしたことがありますが、スメルスケープはありませんでした。つまり嗅覚で感じる、ということでしょうか。あるいは、プルースト効果、とかも初めて知りました。買ったときは言語景観を考える本かと思ったのですが、まあこれはこれでよし。

 惜しいのは、学術書ではないし、かといって「あるある」本でもないし、ハウツー本でもないようで、どこか中途半端。ゼミの学生さんの全面的な協力で楽しみながら作られているのは確かですが、でも、いかんせん見づらい。読みづらい。編集が悪い。学生さんの手になると思われる手書きの文字も、少なからず読みにくいクセ字があったり、一部の記述に重複があったりするなど、全体ではマイナスにさせてもらいます。
by 1220hagiwa | 2017-01-15 23:29 | <番外編 2017>