9月7日(水)  白洲美加

 蓮舫さんの二重国籍の件が話題に(民進党内では「問題に」)なっています。でも、くれぐれも本質から外れた低レベルの議論になってほしくないもの。二重国籍の方には、自分のあずかり知らぬ事情でそうならざるを得なかったことがあるからです。多くは幼少期の何らかの問題で、あるいは成人してからもやむを得ない理由で。本人を責めたところでどうしようもないのです。確かに今回の蓮舫さんについては、軽率だった点は否めません。それでも、平気で二重国籍に関して大声で云々できるのは、自分が日本国籍だと迷いなく言え、当人の痛みへの想像力に乏しい人。ですから、二重国籍の方が相当数存在する現状が少しでも改善するような方向になるなら歓迎ですけれど、党首選びに際してのアラさがし、ネタになってスキャンダラスにもてあそばれてしまうなら、当事者の方が気の毒です。

 偶然にも今夜の夕刊に出ていましたが、無戸籍、さらには無国籍の問題も議論されればいいのに。

 瞳孔か開きっぱなしの北川景子さん@「家売るオンナ」。ナイジェリア人留学生と恋愛関係になった女性とその家族を絡めて描いていました。彼、本当は日本語が相当に滑らかなのだろうに、いかにも、というわざとらしい助詞抜きのしゃべり方を目いっぱいさせているのは鼻につきますが、それはさておき、案外重要なことを語らせていました。このドラマ、多少クサいのは別にすれば、シリアスさが絶妙にライトに描かれています。バランスのいい脚本は、さすがの大石静さん。
by 1220hagiwa | 2016-09-07 23:05 | 本 編 2016