7月29日  小松和彦 『妖怪文化入門』 角川ソフィア文庫

 「怪(カイ)の日本語」という授業を試みるに際し、いくつかの参考図書に当たっています。そのうちの一冊で、基本図書とでもいえるでしょう。序論的な文章に読みごたえがあるだけでなく、憑きもの、妖怪、河童、鬼、天狗・山姥、幽霊、偉人・生贄、境界という括りを設け、歴史的な経緯、学問的な掘り下げなどが紹介されていて、素人の私には有用。妖怪やそれに類する一連の概念あるいは存在が、思っている以上に日本社会、日本人の心の底に横たわっていることがわかりました。もちろん、私の中にもしっかり育まれ、根付いています。妖怪は、奥深い。ゲテモノだのB級だの、オタクの分野だというのはとんでもない誤解と偏見。日本社会、文化の根幹あるいは背骨のひとつをなすものでしょう。

 日を改めて、再読すべきだと思っています。
by 1220hagiwa | 2016-07-29 23:21 | <番外編 2016>