3月22日(火)  何より、90%

 学期末の校外授業として、学生を連れ、上野の下町風俗資料館を初めて訪ねました。一言、おもしろい。ためになる。江戸から明治、大正、昭和初期にかけての下町一帯に関する生活資料が思いのほか豊富に展示されていました。素晴らしいのは、多くが手で触れてみることのできる点。学生たちは遊んだり写真を撮ったりして、無邪気に喜んでいました。学校から至近ですし、ぜひ再訪したいと思います。風俗資料という意味では江戸深川資料館よりライブ感があり、魅力的だと思います。

 その前後、上野公園から不忍池を少しばかり散策しましたが、桜はまだ5厘咲き。でも、やっぱり上野公園界隈は、悪くないです。何より、広々しています。

 関東大震災当日の避難民でごった返す、その上野公園も描かれている、宮崎駿さんの最後の作品「風立ちぬ」。今回、わずか2回だけでしたが、分析、紹介、解説しました。ジブリファンの間でも評価の分かれる作品らしいですが(私は好きとか嫌いとかいう意見ではなく、ただ作品が興味深いという立場)、学生たちはなるほど~と思ってくれたようで、何が描かれているか理解してくれたようです。語る私は知ったかぶりをしているにすぎませんが、もちろん事前にある程度調べてあります。

 その「風立ちぬ」を含め、全9回にわたった私の実践「ジブリの森」への満足度の平均値が90%以上というデータが得られました。失敗も多いし、場当たり的な展開もやたらとある(というか、そればかり)のですが、学生が満足してくれたら、それは何よりのこと。毎年、私なりに内容が深化できている気がしています。

 栃木の小1殺害事件の裁判員裁判がこのところ報じられています。勝手な印象ですが、冤罪という可能性はないのでしょうか。警察は、特に重大な案件で逮捕した容疑者をほとんど人間扱いしないに等しいと聞き及びます。もちろん真実はわかりませんが、今回はどうも客観的証拠に乏しいようです。紙面で読む限り、取り調べで警察や検察側が発した言葉は相手の人格を認めない、相当にめちゃくちゃなもの。録音録画だって、都合のいいところを中心に編集。これ、少なからずおかしい気がしますが、どうなのかな。

 ちなみに被告は幼少期、家族の事情で日本に連れてこられ、日本語が満足に話せず学校になじめなかったといいます。これはこれで、気の毒なこと。ただ、いつぞやの事件でも背景としてこういう方がいたような。こうしたケースが時折見られるようになっているみたいです。
by 1220hagiwa | 2016-03-22 22:14 | 本 編 2016