2月10日  岡本真一郎 『悪意の心理学』 中公新書

 「うっかり口にする」「偏見を抱く」「攻撃する」「こじれていく関係」「嘘をつく」…各章のタイトルを見るだに恐ろしげ。そして実際、読み進めるごとに冷や汗たらたら。ああ、確かに私もやってしまったこと、ずいぶんあります。そして、確信犯的にも無意識的にも言葉を操作している輩がたくさんいることも、現実を見れば容易に納得できます。日本語教育関係者にも示唆を与えるはずです。いや、学生には当然、必要でしょう。

 筆者は基本、人を信じているからこそ著したのだろう(と信じたいです)。前著『言語の社会心理学』が明快な良書だったことを覚えていますから。
by 1220hagiwa | 2017-02-10 22:42 | <番外編 2017>